文教経済委員会視察報告
【熊本市】GIGAスクール構想に伴うICTの活用について(訪問先:熊本市役所)
<テーマ>
「熊本市のICT教育の取組」
「教育の情報化推進の取組(基盤整備)」
<視察報告>
熊本市教育振興基本計画では、「自ら考え主体的に行動できる人を育む」という理念のもと、学校改革を進めており「先生が教える授業」から「子どもたちが学びとる」という授業にICTの活用が効果的に実現されている事例として高校受験の「時差問題」のグループワークの取組が紹介されました。通常の授業だけではなく、受験勉強対策にも使える教材として端末を使う先生たちの意識や取り組みも進んでおり、生徒どうしのコミュニケーションも取られ勉強が楽しく感じられていると思いました。この様子は、今は特別なクラスかもしれませんが、正しく学び、怖がることなく将来必要なスキルを身につけてほしいと思います。
熊本市では、地震を機に自由に使える端末を整備していた背景もあり、GIGAスクール構想以前から端末の導入が進んでいました。今後は子どもたちの自己評価をもとに、現代的な課題に対応していくという問題意識に共感した。八王子市のICT教育の導入は始まったばかりだが、楽しく学び、非常事態でも学びを止めない環境のために研究を続けていきたいと思う。
【福岡市】MICE事業の推進について(訪問先:福岡国際会議場)
<テーマ>
「観光・MICEと福岡市のまちづくりについて」
「博多旧市街地まわり」
<視察報告>
もともと福岡市は観光地として、ホテルや観光客を受け入れる施設が整っており、MICEの立地場所も埋立地が利用され、大規模なイベントが同時にできる一つのまちのような位置づけになっています。また、福岡市近隣の北九州市にもMICEがありますが、福岡市は商業圏、北九州市は工業圏と利用する層も競合しないため、MICE誘致が税収増につながっていく構図ができていると感じています。また、稼働率90%以上を維持していくためには立地条件の良さだけではなく、営業にも手を緩めない担当者の意気込みや集客への意欲、海外の文化や、学会での慣例など、利用者目線で運営していくことが重要で、商業ベースにできることは参考にしていきたいと思いました。
八王子市のMICEとは規模や、できることが違っているというのが一番の印象でした。観光地でもない、ホテルもない、都心にも温泉地にも近いこの土地でどんな営業戦略を考えるのでしょうか。先ずは、日本遺産は文化財としてではなく都市戦略とし活用していくことが求められていると改めて感じました。
<テーマ>
「SSW(スクールソーシャルワーカー)の活用促進について」
<報告事項>
今回のSSWの視察で、初めて学者の先生が中心となった取組を聞くことができました。先生たちたちは海外での取り組みなども参考にし、福岡市内でも地域事情にあった不登校児童への支援をされています。これまでの支援の中から見出したことについて、SSWの配置形態は「中学校区拠点巡回型」が不登校児童に対して効果がある。としています。それは、子どもや保護者に直接支援し、問題の予防、学校との連携、家庭支援が重要とだと繰り返されていました。SSWの質向上や専門性を高めるだけではなく、生活基盤が整う報酬も保障しなければ継続した支援は難しい。また、教員免許をもったSSWが学校に入ると、先生の「お手伝い」にまわり、本来の仕事に集中できないのは、学校でのSSWに対する意識の問題も指摘されていました。先生方のお話の中には、驚愕の事例を紹介され、家庭環境の違いや保護者と学校の間に入ること、親、子どもたちと向き合うことなど、キメ細かい対応は誰にでもできる仕事ではないと、改めて学びました。
教育環境を整えるのは誰なのか。八王子市教委の資料に、不登校の原因は「家庭不和」があり、その項目が伸びていることに注視する必要があると思っています。不登校の子どもが右肩上がりの状況にある中、どのように未然に問題を予防できるのか。今の時代にあった対応が、子どもたちの明るい未来につながると感じています。