最低賃金が1,118円になりました。

最低賃金引き上げと中小企業の苦境について考えてみたいと思います。
▼ 働きたいのに働けない?最低賃金と“壁”が生む八王子のジレンマ
近年、八王子では働く人が増えています。特に、育児や介護と両立しながら働く女性の活躍が目立ち、地域の活力にもつながっています。
しかし、働く人が増えているのに、市の税収は思うように伸びていない。その背景には、低賃金・非正規雇用の割合が高いという現実があります。
▼働きたいのに「これ以上働くと損」?所得の“壁”が生む矛盾
最低賃金が上昇する中で、パート・アルバイトの方々が直面しているのが、103万・106万・130万円の“壁”です。
これらの壁とは、税金や社会保険料の負担が急に増えるということです。たとえば、年収が130万円を超えると扶養から外れ、保険料の自己負担が発生します。
その結果、「これ以上働くと損をする」
という判断から、働く時間を制限せざるを得ないという状況が生まれています。これは、働きたい人が十分に働けないという、非常にもったいない構造です。
▼ 一方で企業は人手不足なのに人件費が限界
企業側、特に中小事業者は深刻な人手不足に悩まされています。 働き手が限られる中で、残った従業員に負担が集中し、現場は疲弊しています。
さらに、最低賃金の上昇で八王子市内の企業の中には人件費率が80%近くに達してしまう事業所もあると聞きました。これは、売上のほとんどが人件費に消えてしまうということです。
利益が出ない。雇用が維持できない。 このままでは、会社も、労働者も、共倒れになりかねません。
▼「雇用を守る」ことと「暮らしを守る」ことを両立していきたい
最低賃金は、人を守るための制度です。 しかし今、その制度が企業の体力を奪い、結果として雇用を失わせるという逆転現象が起きています。
このままでは、制度の理想と現場の現実が乖離しすぎてしまいます。
だからこそ、私は市議会として、現実に根ざした政策提言を続けていけるよう勉強していきます。
企業が雇用を守りながら生き残れる道筋を、しっかりと描けるよう頑張って参ります。