ろう重複者を対象とした「たましろの郷」へ視察に伺いました
青梅市にある「たましろの郷」に視察に伺いました。ここは、ろう重複者(さまざまな障害を併せ持った聴覚障害者)の方たちが自立した生活ができるよう支援する施設です。
過日、すぎな愛育園で開催された「手話まつり」に参加をさせて頂いた際、「是非行ってみてください」とお声かけ頂きこの施設のことを知りました。この施設は八王子からさほど遠くないため、市民も利用しているとのことでしたが、ろう重複者の施設は全国で5か所しかないため入所希望者が多いのが現状です。また、施設内で30人が日々の生活を送っており、20人が通所をしています。高齢者介護とは異なり、障がい者には夜勤も同性介護が基本となっているため、職員の数が少ないのも大きな課題です。
現場に行って分かったことは、健常者の感覚とは全く違う世界でいきているという自覚が必要なことです。「聞こえる人は、考えるときには言葉で考えるけど、聞こえない人は行動で考える」、「聞こえない人の疑似体験はできない」、「パラリンピックに聴覚障害者がいないのは、四肢に傷を負った兵隊のリハビリが発端だから。聞こえない人にリハビリはない」とのこと。今まで考えたこともない現実と向き合うきっかけを頂いたと感じています。
施設長さんや、ご案内いただいた職員の方のお話から、補助金がほしいというお願いではなく、とにかく聞こえないことの理解を深めるために必要なことは、地域の市民とコミュニケーションをとることだという切実な思いが伝わりました。
また、障がいが確認されたら、自分でできることを増やすためにも早期支援が必要とのことでした。移動支援の充実や相談支援の充実、特に人に合わせた柔軟性が求められています。法律や条令が活かされるよう現場に足を運び、私たちが現実を知ることも必要です。
視察の終わりには、施設の仲間たちが作成したヘアゴムとミントのポプリを購入しました。
「たましろの郷」は開設して15年。議員視察は初めてとおっしゃっていました。これからも、誰もが安心して住めるまちづくりを目指して勉強させて頂きたいと思います。