
一般質問 第2回定例会‐6月12日(木)登壇‐
一般質問の録画映像は下記URLからご覧いただけます。(60分) ▼以下は発言の要旨です。 【給食センターの活用の効果測定 子どもの笑顔が少しずつ増えていくー寄り添い続ける大人がいる場所】 給食センターは、市内5カ所に整備され、総事業費は100億円を超える大きな公共投資です。これまでセンターの役割は「食」に重点が置かれてきましたが、学校に行くことが難しくなった子どもたちが、センターへ給食を食べに来てくれたこと——それは貴重な一歩でした。そこでもう一歩、「美味しかったね」で終わるのではなく、給食センターに、児童館の専門職員である児童厚生員が訪問支援をする提案をしたのが、私の取り組みの始まりです。 これまで教育委員会が「食べる」ことに重きを置いていた給食センターには、「せっかく外に出てきたのだから、次につなげよう」と未来に橋を架ける場にするべきで、いま問われているのは、その先に何をつなぐかという視点です。 縦割りだった行政の枠を越え、教育委員会と子ども家庭部所管の児童館が連携することで、給食をきっかけにした不登校対策としても実績をあげつつあります。 南大沢・楢原・元横山の給食センターでは、児童館職員が子どもたちを見守りながら、給食をきっかけとした交流や相談支援を実際に行っています。保護者からも「ここがあって本当によかった」と、感謝の声が寄せられています。 今年度からは、学校給食の準備前の午前中から子どもたちを受け入れる試行的な取り組みも始まります。今後は教育委員会と児童館との連携をさらに深め、学びや社会とのつながりを少しずつ取り戻していける場として「地域の教育拠点」の役割を、より一層高めていきたいと思います。 【学校再編 「余白」が未来を拓くー学校跡地と教育の新しい可能性】 少子化により学校の統廃合は避けられない課題となっています。令和6年度の教育統計によると、市内の小学1年生は3,671人、2年生は3,898人とわずか1年で227人も減少。1歳児は2,728人と今後も減少傾向が続く見込みです。 現在の小学校数70校で割ると、1学年あたり40人。全校が単学級になる未来も現実味を帯びています。 こうした中、空き校舎や跡地の活用は、地域の未来を左右する重要なテーマです。更地にして民間へ売却する方針もありますが、私は「余白」を残すことが新たな価値を生むと考えています。 学校という建物がなくなったとしても遊休地として次の世代に残すことで、子どもたちが学び、地域とつながってきたその場所は「知の場」としての意味を持ち続けます。働き方や人口構成が変わる将来に備え、柔軟性ある土地の活用こそが次世代への責任です。 議会で繰り返し提案してきた、理数教育と創造性を育むSTEAM教育が八王子でも始まり、産業と連携した実践的な学びが進んでいきます。市内には技術力の高い企業や大学が多く、地域資源を活かした教育が、まちの力へとつながります。 市内の小学6年生4,475人に対し、中学1年生は4,043人。約400人が私立・国立・都立の中学校へ進学していることがわかります。教育の質で学校が選ばれる時代に、公立校も「選ばれる 学校」になる取り組みを推進していきます。 【南大沢のまちづくりについて 自然と先端技術が共存するまちへ ― 自然エネルギーを生み出すまちへ】 豊かな緑と自然がある八王子市。実際に市民の64%が「自然に恵まれているから住み続けたい」と答えています。街路樹の強剪定など、管理方法によっては、市民の信頼を損なう結果になりかねません。 街路樹計画や景観の見直しを行い、その大切な自然を守りながら、未来へつなげるまちづくりを進めていきませんか? こうしたまちづくりを支えるのが、自然エネルギーと先端技術の力です。例えば、ビルの壁や窓にも貼れる日本で開発された「ペロブスカイト太陽電池」や、人が歩いたり車が通ったりすることで電気をつくる「路面発電」。これらを活用すれば、まちのあちこちで電気をつくることができ、災害時の備えにもなります。 また、南大沢には「中水」という、使った水をもう一度利用できる仕組みがあります。主にトイレの洗浄水や冷却水、灌漑用水、雑用水などに使われます。この水を使って、街路樹や公園の緑を絶やさず守ることを提案しています。 例えばこれからは、ペロブスカイト太陽電池などの最先端技術を持つ企業を積極的に誘致し、地元の大学や研究機関との連携を促進することで、子どもたちがまちの身近な先端技術にふれ、学べる環境を整えていきたいと考えています。